名古屋・東別院(名古屋別院)で厳修された「宗祖親鸞聖人750回御遠忌法要」のご報告です。
単なる儀式にとどまらず、震災、戦争、ハンセン病といった現代社会の重い課題を通して、親鸞聖人の教えを「今」に問うた10日間の記録をブログ記事にまとめました。
【報告】「ともに生きる」を問う10日間。東別院・親鸞聖人750回御遠忌法要
本年4月22日から5月1日までの10日間、真宗大谷派名古屋別院(東別院)において、「宗祖親鸞聖人750回御遠忌法要」が盛大に、そして厳粛に勤まりました。
期間中は、名古屋教区内の各寺院をはじめ、ご門徒、ご信徒の皆様など数万名もの参拝者が訪れ、境内は聖人の遺徳を偲ぶ熱気に包まれました。
「いし・かわら・つぶて」の如き私たちと共に
50年に一度のこの法要は、単なる記念行事ではありません。
90年のご生涯を、
「いし、かわら、つぶてのごとくなるわれらなり」
(私は、石や瓦、小石のような価値のない凡夫である)
と仰り、最も低い場所で、民衆と共に苦悩の中を生き抜かれた親鸞聖人。
その聖人の「お心」に、現代を生きる私たちが少しでも出会う機縁となること。それがこの法要の最大の願いでした。
テーマは「ともに生きるーいのちのつながりー」
今回の御遠忌のテーマは、「ともに生きるーいのちのつながりー」です。
お経をあげるだけでなく、現代社会が抱える切実な諸問題に向き合い、聖人の教えに我が身を尋ねるための様々な企画展示が行われました。
1. 震災の悲しみを描く「ダキシメルオモイ」展(別院対面所)
画家・小林憲明氏による絵画展。
東日本大震災と福島第一原発事故により、愛するお子さんを亡くされたお母さんの姿を通して描かれた作品たちが、理不尽な別れと深い悲しみを私たちに訴えかけました。
2. 戦争と仏教を問う「平和展」(東別院会館)
かつての侵略戦争中、戦争遂行に「不都合」だとして親鸞聖人の教えが消され、歪められてしまった歴史。その事実を通して、昨今の「安全保障法制」について考える展示が行われました。
「国」と「信仰」の関係を深く考えさせられる内容でした。
3. 隔離の歴史と願い「ハンセン病・菩薩展」(東別院会館)
ハンセン病患者の方々が、過酷な差別と隔離の中で問い続けた「反戦平和」への願い。その魂の叫びが込められた作品が展示されました。
「他者の痛み」をどう受け止めるか
被災された方々、戦争に巻き込まれた方々、差別の中で生きた方々。
これらの展示は、私たちに重い問いを投げかけました。
「多くの人々の苦しみや悲しみを、私たち一人ひとりがどう受け止め、どう行動するのか」
華やかな法要の裏で、真剣に「いのち」と向き合い、親鸞聖人が歩まれた道を現代においてどう実践していくのかを考える、かけがえのない機会となりました。



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