安楽寺住職のお孫さんが9歳で仏門へ

浄土真宗大谷派得度式 安楽寺

2022年8月3日と4日の2日間、安楽寺住職のお孫さん(9歳)が真宗本廟(京都の東本願寺)で、仏門への第一歩である得度式(とくどしき)を受けました。
出家して僧となる得度式は、僧侶として生きる第一歩になる訳ですが、お寺に後継者が続くかどうかは檀家(門徒)の皆様にとっては何より大きな関心事であると思います。

平安時代初期の日本の仏教僧である天台宗開祖の最澄(766年)は、15歳で得度したと言われていますが、当時は得度するのに官許(かんきょ:国からの特別な許可)が必要で、定員わずか10名と険しい道でしたから、現代でいう内閣府人事に採用されるような感じでしょうか。
なぜ10名に限定されてしまったのか、詳しく調べてみると、衣食住が約束され、税金免除、兵役免除など多くの特典があったからだそうです。
飢きんや疫病がはびこり、子孫繫栄どころか、我が子が天寿を全うできるどうかの時代、得度は魅力的な選択だったようです。

得度の語源は、インドの古い言葉であるサンスクリット語のターラヤティから来ていますが、「迷いのない世界へ渡る」という意味があります。
インドでは12歳になると、父母の許しを得て得度し出家しますが、新たに僧名(出家者の名前)が付けられることから、これが戒名の始まりになったと思われます。
この際、これまで暮らしてきた家の冠婚葬祭の義務や、財産相続のすべてを放棄するのですが、異性を絶ち子孫を残すことなく経済的な継承を捨ててしまえば、これまで続いた一族が滅びてしまうのに、なぜ得度したのでしょうか?
当時のインドでは、人の生まれ変わりが強く信じられ、すべてを捨てて徳を積めば、より良い地位に生まれ変われると強く信じられていたからです。


浄土真宗大谷派得度式

コメント