仏教伝来から約1400年続いてきたお寺は、明治時代に入ると突然、政府からお寺取り潰しの命令が出されました。
これを廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)といいます。
廃仏は宗教の元祖を廃絶し、毀釈は釈迦の教えを毀(こわ)すことを意味します。
この難から仏教を救ったのが、多くの国民の信仰心といわれていますが、本当にそうなのでしょうか?
歴史を振り返りますと現実は少し違ったようです。
それまで徳川家の手厚い保護により、お寺は住民を管理する役所の役割も果たしていましたが、神の末裔である天皇を頂点と考える明治政府にとっては、天皇より偉い存在を認める訳にはいかなかったようです。
多くの信者による活動は、明治政府の厳しい取り締まりの対象となりましたが、大衆を率いる宗派は生き残りをかけ、信者から集めた莫大なお布施を軍資金として献上することに舵を切り、仏教廃絶の難を逃れました。
その甲斐あって、明治27年日清戦争、明治37年日露戦争と立て続けに大日本帝国は大勝利を収めることになります。
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