安楽寺だより第48号(第7回 お釈迦さまの悟りとは?)

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35歳でお釈迦様が悟りを開かれたとき、一体何に気づき、どのような真理を見つけたのでしょうか。

それは、私たちが普段「苦しい」と感じる原因が、実は思いもよらない場所にあったという発見でした。今回は、仏教の根幹をなす「縁起(えんぎ)の法」と、お釈迦様が見抜いた「苦しみの正体」についてまとめました。


35歳の決断と内観

お釈迦様が悟りを開いたのは、35歳のとき。インドのガヤー郊外、菩提樹の下でのことでした。

そこで静かに瞑想に入り(禅定)、ご自身のこれまでの人生を深く見つめ直しました(内観)。

  • 29歳までの王宮生活: 何不自由ない快楽の日々。
  • 出家後の修行生活: 肉体を痛めつける厳しい苦行の日々。

両極端な生活を経験したお釈迦様は、どちらも根本的な解決にはならなかったと気づきます。人間として生まれた以上、誰もが避けられない「老い・病い・死」という苦しみ。これを解決する道はどこにあるのか、深く洞察されました。

縁起の法

苦しみの「真犯人」はどこにいる?

瞑想の中で「聖なる智慧」を得たお釈迦様は、驚くべき事実にたどり着きます。

「老いること、病むこと、死ぬこと。それ自体が苦しみの『本当の原因』ではない」

身体的な変化や現象は、自然の摂理です。では、なぜ私たちはそれを「苦しい」と感じるのでしょうか?

原因は、私たちの「心」にありました。

  • 「偽りの自分(我)」への執着:実体のない「自分」という存在にこだわり、思い通りにしたいと願う心。
  • 満たされない欲望への不安:生きている限り湧き上がる「欲望のうずき」。それが満たされないことへの恐怖。

これら人間の本性とも言える「無知(真実を知らないこと)」こそが、不安や悲しみを生み出している元凶だと目覚めたのです。

縁起の法

宇宙の真理「縁起の法」

お釈迦様は、この暴走する欲望を制御し、心の平安を得るための鍵として、一つの大きな真理を顕(あら)わにされました。それが「縁起の法」です。

「あらゆるものは縁(条件)によって生まれ、縁によって滅びる」

(ウナーダより)

この世のすべての事象、そして私たち自身の存在さえも、単独で存在しているわけではありません。無数の原因と条件()が重なり合って、今ここに「ある」だけです。

「自分だけは特別だ」「変わらずにいたい」……そう願っても、条件が変われば状況は変わります。この「縁起の道理」を知らないこと(無明)が、すべての苦しみの根本なのです。

縁起の法

真理と共に、静かに生きる

お釈迦様が私たちに示した道は、魔法で老いや死を消すことではありませんでした。

「縁起の法」をつまびらかに見つめ、あるがままの現実を受け入れること。

「すべては繋がりの中で変化していく」という道理に従って生きるなら、私たちは欲望に振り回されることなく、静かに老いを受け入れ、穏やかにこの世を去ることができるはずです。

それこそが、お釈迦様が菩提樹の下で見つけた、本当の安らぎへの道なのです。

縁起の法

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