人々の願いを叶えてくれるインド神話は、お釈迦様が生まれる500年ほど前に誕生したと言われています。
口伝えに伝承されたことから、日本神話の様に整然としておらず、文献も膨大で複雑になっていますが、日本の仏教文化に深く根付いていることは間違いありません。
複数存在してたインドの神様は、4つの時代を経て次の3つの神様に集約されます。
●創造神:ブラフマー(日本では梵天、仏法守護の帝釈天の相棒)
●維持神:ヴィシュヌ(「行きわたる」という意味で太陽光や蓮華から慈愛)
●破壊神:シヴァ(日本では大自在天・大黒天で吉祥・福の神という意味)
創造 ⇒ 維持 ⇒ 破壊 の3つを司ることから、病気を治してくれたり願いを叶えてくれる「現世利益」「祈祷」の原点となります。
「わたくし、生まれも育ちも葛飾柴又です。帝釈天で産湯を使い、姓は車、名は寅次郎、人呼んでフーテンの寅と発します」
有名な映画「男はつらいよ」の主人公である寅さんの名台詞に、インドの神様である帝釈天が出てきますが、雷神「インドラ」のことです。
柴又帝釈天は日蓮宗の経栄山題経寺で、日蓮聖人が自からお刻みになったと言われる帝釈天の本尊が安置されており、江戸の人々を飢きんや疫病から救ったとされています。
また、京都の東寺にも創造神ブラフマー(梵天)と雷神インドラ(帝釈天)の仏像があります。
2つの神様は合わせて「梵釈」と言われ、お釈迦様の出産時に立ち会ったとされています。
こうしたことから、人々の願いだけでなく、「天」として国家と仏法を守護する役割を果たしています。
インドの神々は、お釈迦様が願いを叶えてくれるのではなく、お釈迦様の願いを叶えてくれたのでしょう。
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