お釈迦様の教えというキーワードをよく耳にはしますが、お釈迦様自身や直近の弟子たちは、口伝えで教えを広めたのみで、文字などで記録を一切残していないので何が教えなのかよく分かっていません。
インドを旅立った仏教は中国とチベットの2つに別れて伝承されてきましたが、日本に伝わる中国経由の仏教は、土着の宗教や時の政権の影響を強く受け、複雑に混ざりあいながら今日の日本仏教となってきました。
何が元来のお釈迦様の教えか知る術はありませんが、チベット仏教(チベット密教)にヒントを見出せるのではないかと思います。
チベットは気温マイナス40度、険しい山々と高山病の限界をはるかに超える低酸素で他国の侵略者を寄せ付けず、モンゴルのチンギス・ハーンでさえも攻略を諦めた自然の要塞です。
そして、ダライ・ラマやパンチェン・ラマの様に厳格な教えを1000年以上にわたり伝承してきた、極めて純度の高い宗教と言えます。
チベット密教は、インドから伝来した仏教に加え、人間と精神世界を結びつける土着のシャーマニズムが深く融合した宗教です。
シャーマニズムとはシャーマンと呼ばれる呪術者が、精神を集中しトランス状態で自然界やあの世と交信し、未来を占ったり、悪霊を追い出して病気を治したりするのですが、人類の誕生と共に存在していたと思われます。
日本では卑弥呼が国の統治に用いたとされる「鬼道(きどう)」が有名ですが、現在の巫女や祈祷師に伝承されています。
ヒマラヤへは各宗派の僧侶が訪れ、そのシステムを日本の寺にも導入したため、お寺なのか神社なのか区別をつけるのが難しい慣習が多く残るようになりました。
女性の僧侶、葬儀や49日法要、○○祈祷など死者の弔い方や願いを叶える仕組みについて、チベット仏教には大きな共通点が多く見られます。
改めてチベット密教を知り、日本の仏教と照らし合わせることで、お釈迦様の教えが何であるか見えてくるのではないでしょうか?


チベット仏教の桃源郷、標高3000mの断崖絶壁に建立された「タクツァン僧院」