日本では土葬や火葬が一般的ですが、チベットでは5つの葬儀が行われています。

①塔葬(とうそう)塔婆の語源である仏塔(ストゥーパ)に納棺。
②鳥葬(ちょうそう)鳥に食べてもらい天に昇る。
③火葬(かそう)高地でマキの確保が難しい。
④水葬(すいそう)疫病の心配がある。
⑤土葬(どそう)寒いので微生物に分解されず凍ってしまう。

①の「塔葬」は、ダライ・ラマなど生きたまま仏になった特別な人にしか行われませんが、チベット高原で最も一般的なのが「鳥葬」です。
チベット仏教では人が亡くなると、直ぐに生まれ変わると信じられていますので、大切な方との別れを悲しむことはあっても、遺体を見て哀しむことはありません。
遺体を天へ送り届けてくれる鳥は特別な存在で、中国では天葬とも言われ、お布施(ふせ)は鳥に対して行われます。
特に仏具にも描かれる鶴とチベット高原の関係は密接で、世界の7割の鶴は繁殖のためチベットの大地に訪れます。
鳥は風に乗って飛びますが、チベットの方は鳥たちが「風の馬」に乗って飛んでいると考えているようで、5色の旗で馬の絵が描かれたタルチョのことをルンタ(風馬旗)と呼び、仏法が風に乗って広がるよう願いを込めています。
願いを風のように早く叶えるという意味で、日本の絵馬や鳥居のルーツになっているのでしょうか?
ちなみに布施はサンスクリット語で旦那(ダーナ)と言いますが、語源は臓器移植のドナーから来ています。
そう考えると、魂の抜けた肉体が、他の生命の一部となって臓器移植され生き続けるのは日本でも変わらないことです。

ラサの高現地に飛来するオグロヅルはチベット住民により手厚く保護されています。